今から10年前、国家資格を取り、総合病院に勤め、働き始めてから2年ほどが経ったころに、現在、僕が所属しているオステオパシーの団体(= JOPAオステオパシープロフェッショナル協会)からダイレクトメールが送られてきました。
セミナーの案内状で、『ようこそ、オステオパシーの世界へ』といった内容で、聞きなれないオステオパシーという単語と、日々の患者さんに結果が出せずにいる現状に不満だった私は、すぐに興味を持ち、申し込みました。
患者さんに対して結果が出ていなかったかと言うと、それまでにも色んな研修会・勉強会に参加して、テクニックだけは学んでいたので、『楽になった。』『少しは良いかな?』と言われることはありましたが、なかなか望むような結果(= 痛みなどの症状の戻りがないこと)が得られていませんでした。良くなった次の日はもう痛むその繰り返しで……
もともと、理学療法士の養成学校では、自分でも高校まで部活動一色だった部分をすべて勉学に励んでいたので、卒業まで赤点は1回もなく(これは本当に凄いことなんです。クラスで1番の人も、いずれかの教科で赤点があるものだったので……)成績も良かったし、実技の練習もそれなりにはこなしていたので、卒業後はばんばん患者さんを治していけると思っていました。
ところが、就職先の病院では打ちのめされるわけですね……別に先輩方に打ちのめされることはありませんでした。知識だけなら学校で国家試験に受かる以上の内容まで勉強していたので、質問とか全部答えられてましたし……(ここだけ聞くと先輩方からはうっとおしかったでしょうね[笑])だからでしょうね。よけいにショックだったんですね……【患者さんが変化してかない……】
まだまだ自分の勉強が足りず、知らないテクニックがあるからだと思い、手当たりしだいに研修に行き、同僚と練習しました。でも中々納得いく変化が出ない。
そんな時に冒頭にあったようにダイレクトメールに気付きました。
話を戻しましょう。セミナーが始まると、いきなりデモンストレーションから始まりました。無作為に選んだ受講生の中から体の不調を治すといったものでしたが、見たこともない評価法からテクニックと、対象となった受講生も知らなかった関節の制限部位や、動きの悪い動作や身に覚えが無かった症状等の問題点を挙げていったり、驚きの連続でした。
僕がやりたかった事はこれ(オステオパシー)だ!!!
今までの固定概念が覆るとともに、オステオパシーの理論はなるほどと深くうなずき納得が出来るものでした。
そこからはオステオパシー一色に、この学問に夢中になっていきました。夢中になった理由としては、確かに今までにない概念を取り入れるのはしんどいと感じましたが、患者さんにしっかりと変化、改善が行ってくると感じたからです。
学び始めて10年経ちましたが、まだまだ学ぶことも多く、深い学問であると日々、痛感しています。